真珠の「色」と「てり」(2)_「てり」の美しき世界

真珠の光沢については、「てり」という言葉が使われますが、実は明確な定義はなく、かなり主観的、慣習的に使われているのが現状です。

前項でてり=光の干渉現象という関係について述べましたが、もう少し深くみていきましょう。さらに真珠の見方が分かってきますよ(^_-)-☆

光の干渉現象は自然界にたくさんある。

クジャクの羽やタマムシや蝶の羽など、自然界には美しい実例がたくさんあります。これらは、光の干渉現象によるものです。

この光の干渉現象は、自然界のほとんどは平面に現れるものですが、真珠の場合は「球体」に現れるという 点で 大きく違っています。もちろん真珠の形は様々ありますが、基本は球体です。球体における光の干渉現象は平面の干渉とは違ってくるんです。それが、真珠が人を魅了する美しさになるのです。

では、球体と平面ではどのうような違いがあるのでしょうか。
次の二つの点が挙げられます。

真珠には反射と透過の2種類の干渉色が現れます。
これが、「てり」の評価 となります。

自然界の光の干渉は、光が当たった表面に反射の干渉色が現れ、裏側に透過の干渉色が現れます。 表は表の色しか見せまんし、裏は裏の色しか見えません。
しかし、球体である真珠の場合は、反射した光が光源像として見え、透過した光は球面全体に透過の干渉色として見ることができます。

アコヤ真珠をみると光源像周辺部にピンクやグリーンの色が現れます。周辺部にでるピンクやグリーンの色 が透過の干渉色で、平面であれば裏側に出る色です。「てり」の目視評価では、この光源像と透過の干渉色の両方が評価の対象となります。

真珠では七色の干渉色が同時に現れる

貝殻やクジャクの羽など平面における干渉の場合、目の角度を変えると色が変わっていきますね。これは光の入ってくる角度が変わると干渉で出てくる色が違ってくるため起こる現象です。
真珠の場合は、球体なので目の位置を動かさなくてもすべての角度から入ってくる 七色のスペクトルで 干渉色が見えるわけです。

なるほど(‘ω’) 
真珠のすごさが分かってきたぞ(^^♪
でも、 実物を見ないとイメージがつきませんね。次回(3)では写真で見てみましょう。(^_-)-☆