ダイアモンドの鑑定書を見てみよう(4)_カット編

カットについてみていきましょう(^^♪

カットというと多くの人は、ダイアモンドの形を連想するのではないでしょうか?確かに形はとても大切ですが、 ダイアモンドの大きな魅力と言えば何といってもキラキラと光る輝きでしょう。カットは単に切る・削るというだけでなく、ダイアモンドとその周囲の光との相互作用をコントロールすることで、全体のみかけを決定します。

カットがダイアモンドに素晴らしい効果を与えているかどうかを評価する上で、大切なポイントは「プロポーション」「フィニッシュ」です。

「プロポーション」とは、光がダイアモンドにあたる時の角度や相対的なサイズが丁度良いかどうかということです。

光が空中からダイヤモンドに入ってくると、どうなるのでしょうか?

光はダイアモンドの中で、速度を落としながら内面を反射し続けるものと、すぐに外に出てしまうものがでてきます。
これらがダイアモンド特有の美しさである、明るい白色光(ブライトネス)レッド、オレンジ、イエロー、グリーン、ブルー、バイオレットなどの虹色(ファイア)動いた時にダイアモンドが周りの光をとらえ煌めく(シンチレーション) をつくりだします。
この、ブライトネス、ファイア、シンチレーションを最大に引き出すため、「プロポーション」を決定しているのです。

「フィニッシュ」とはダイアモンドをきらきら輝かせる最終仕上げです。研磨の質と精密さのことで、プロポーションがいくら良くても、フィニッシュが悪ければ、美しさを十分に引き出せません。

グレーディングレポート(鑑定書)

では、鑑定書です。
左の青マーカー上部を見るとCut Grade…………..Excellent (カットグレード…..エクセレント)と記載されています。これは右側の青マーカーのスケールを見ると最上段がExcellent(エクセレント)ですので、カットで最高のグレードとなります。ダイアモンドの美しさを十分に引き出すカットがなされていることが分かります。

次に見ていくのが、上記のカットグレードを決めるためのプロポーションと研磨のグレード記載しているところです。

中央の青マーカーの図をご覧ください。
これが、プロポーションの説明です。 正面の大きさ直径、角度、深さなど数値で細かく記載されています。一つ一つの説明は長くなりますので省きますが、ダイアモンドに入った光が効果的に美しくなるように考えられているのです。

右側青マーカーの下部のところが研磨の説明です。Polish…….Excellent( 研磨……エクセレント ) 、Symmetry……Very Good( 対称性……ベリーグッド) と記載されています。

Polish…….Excellent について
ダイアモンドはその硬さ故に、他の宝石に比べ最高の研磨をすることができ、それを保つことができます。 このダイアモンドは、エクセレントなので、きれいに研磨されていることが分かります。

Symmetry……Very Good について
対称性の高いダイアモンドは、ブライトネス、ファイア、シンチレーションが均質になります。このダイアモンドは、ベリーグッドなので、目立たないところに2~3のわずかな歪みがあるようです。

このダイアモンドは Symmetry……Very Good( 対称性……ベリーグッド) でエクセレントより低いグレードでしたが 、カットの総合評価が最高のExcellentです。その理由は、目立たない場所にあるわずかな歪みであったため、ダイアモンドの美しさを引き出すために影響を与えず、総合的にエクセレントと判断されたのです。

次回はキャラットウエイトについて見ていきましょう(^_-)-☆