昨年9月末に、米国ダイヤモンドの供給大手のDeBeersが一般向けに合成ダイヤの販売を開始し、ジュエリー業界に大旋風が巻き起こりました。
合成ダイヤモンドの製造技術の進歩は目覚ましく、良質のものが今後はどんどん市場に出回ってくると思われます。
私もその状況を知るべく、標記セミナーに参加してきました。講師は、GIA-JAPANでインストラクターだった中嶋先生で、私は宝石鑑別を学んでいる時からずっと頼りにしています。
さて、合成ダイヤモンドですが、どんなものかご存知でしょうか?
まず、合成石とは、天然石と同一の化学組成と構造を有する、人工的に生成された宝石模倣石と定義されています。
簡単に例えると天然うなぎと養殖うなぎのようなものです。大地でできたダイヤモンドか、研究室でできたダイヤモンドかということです。
では、おなじみのキュービックジルコニアは合成ダイヤモンドでしょうか?
答えはノーです。
キュービックジルコニアは人造石です。
合成石と人造石は間違えやすいのですが、人造石は天然には存在せず、天然宝石に似せた代用石で天然石とは組成も構造も全く別のものです。
ダイヤモンドとキュービックジルコニアを比べてみると、全くの別物なので誰が見てもすぐに違いが分かります。
しかし、天然ダイヤモンドと合成ダイヤモンドは、肉眼で見ても違いはほとんど分かりません。理由は、どちらもダイヤモンドだからです。
ダイヤモンドは、高温高圧の過酷な状況の中で生成されるものなので、人工で宝石品質のものを作るのは難しいのです。
今回のセミナーで、前述のDeBeers(正式にはElementsix-DeBeers)が一般向けに販売した合成ダイヤモンドを見せてもらいました。
天然のダイヤモンドと同じで、きれいでした。外観からでは見分けがつきません。
ただ、この合成ダイヤモンドには内部に会社の刻印が彫られているため、天然のものとは区別できるようになっており、上側の広い面から10倍ルーペで確認したところはっきりとマークが見えました。マークが入っていなければ、ルーペでも見分けがつきません。
値段は天然よりもかなり安く、大きめの0.5ctのダイヤモンドが驚きの価格で手に入ります。
天然にこだわるのか合成でいいのか、また、自分の購入したダイヤモンドは本当に天然なのか?などなど新たな悩み?がでてきそうです。
追伸:ダイヤモンドの表記ですが、前回まではダイアモンドと書いていました。どちらで表記しようか迷っていましたが、セミナーではダイヤモンドだったので、今回から私もダイヤモンドに変更しました。どちらでもいいようですが、ダイヤモンドの方が一般的ですね。
ずっとダイアモンドできたので、今回は無意識にダイアモンドと打ち込んでしまい、何度も直しました”(-“”-)”