魅惑的なイエロイッシュグリーンの 外観を持つペリドットは8月の誕生石です。
ペリドットはどのような宝石なのでしょうか。
ペリドットの歩み
初期のころは、この宝石を他の宝石と混同していました。歴史家の中には、クレオパトラの有名なエメラルドのコレクションは実際にペリドットかもしれないと考えている人もいます。また、数世紀にわたり、人々はドイツのケルン大聖堂にある三聖王の棺を飾る見事な200ctの宝石をエメラルドと信じていましたが、実はペリドットでした。
今日、ペリドットは他の宝石の代用品としてではなく、ペリドットとしての美しさが評価されています。それは、比較的大きなサイズが入手可能であり、価格も廉価、その上、緑色は未処理で豊かなグリーンだからです。
ペリドットの魅力ピックアップ
地球外物質のペリドット
ペリドットの中には、古代のものが確認されており、これは太陽系誕生時の遺物であるパラサイト隕石から発見されたものです。
また、2005年にスターダストロボット宇宙探査が持ち帰った彗星塵からも見つかりました。
ミネラルショーなどに行くと、隕石由来のペリドッドが販売されています。宇宙からきたと思うとロマンを感じます。
鉄を含む宝石
魅力的なイエロイッシュグリーンは、鉄に起因します。他の多くの宝石と異なり、鉄が化学組成の一つになっています。ペリドットは、鉄とマグネシウムの珪酸塩なので、この2つの元素に富んだ玄武岩と呼ばれる火山岩から産出することが多くあります。
二重に見える
複屈折率が高く、上の広い面から見ると反対側の稜線が二重に見えます。これは、厚みがあればあるほど顕著になります。ルビーやサファイアなども複屈折の鉱物ですが、ペリドットのように肉眼で見えるほどはっきりしません。
ペリドットの性質とお手入れ
モース硬度6.5~7ですので宝石品質ですが、身に着ける際には注意が必要です。ひっかき傷がつきやすいので、リングやブレスレットに場合には注意が必要です。裸石で持っている場合も、複数で袋に入れておくと摩耗します。
また、急激な温度変化に非常に敏感な宝石なので、ロウ付け後に冷たい溶液にペリドットを入れると割れる可能性があります。リングのサイズ直しなどを依頼する際はお店の人に確認しましょう。
汚れたときは、中性洗剤または石鹸とぬるま湯で洗うのが良いと思います。
ペリドットの評価
色の範囲はイエロイッシュグリーンからグリーニッシュイエローです。10ct以上の大きさで、最良のものになる傾向があります。
その他に、透明度も重要になります。市場に出ている良質なものにはほとんど内包物はありませんが、本来は黒い点状の内包物を含むことが普通です。これは、微小なクロマイトの8面体結晶で、拡大すると観察できます。
その他“リリーパッド”(蓮の葉)と呼ばれるペリドット特有の内包物も見られます。
私は、顕微鏡をのぞいて”リリーパッド”や”クロマイトの結晶”を見つけるとうれしくなったりします。
特有の内包物を好むコレクターもいるようです。
ペリドットの魅力を感じていただけましたか?次回は9月の誕生石サファイアについて書きたいと思っています(*^^*)